『速読術が日本史でマスターできる本』 インデックス | SP速読学院

『速読術が日本史でマスターできる本』 インデックス

『速読術が日本史でマスターできる本』プロローグ

この本の目的は、初級から上級レベルまでの速読法をマスターすることにあります。そして同時に、速読トレーニングを通して、日本史の通史を習得することにあります。

「不可能図形」に見る『目』の不思議

不可能図形は、あり得ない形です。それにもかかわらず、パッと見ただけでは、構造の矛盾に気づきません。いったい、どうしてでしょうか? こうした矛盾は、私たちの目が「視点をしぼり込む」ために起こります。それぞれのパーツが正常なため、私たちは不可能図形の矛盾には、すぐには気づきません。

文字は「脳」で読んでいる

私たちは《目》で見た文字を、文脈に応じて《脳》で理解しています。自分の語棄と照らし合わせながら、正しい読みかたを選んでいます。つまり、目で読むというより、脳で読んでいるのです。

記憶のしくみ 短期記憶と長期記憶

人間の記憶は、保存される期間によって《短期記憶》と《長期記憶》に分けられます。《短期記憶》は、数分間だけ保持される記憶です。それに対して、《長期記憶》は数日から数十年にもわたって、脳内に情報をためておくことができます。

写真記憶方式の限界

実験をしてみましょう。 次のイラストから、千円札、五千円札、一万円札に描かれている正しい肖像画を選んでください。

脳は左右で性質が異なる

人間の脳は、左右対称の半球が二つ重なった形をしています。右側の半球を《右脳》、左側の半球を《左脳》と呼びます。右脳と左脳はそっくりな形をしているものの、特性はそれぞれに異なっています。

人間の記憶のシステム

人間の記憶は、《短期記憶》と《長期記憶》という二つのシステムからできています。これを《二重貯蔵モデル》と呼びます。

文章読解でのワーキング・メモリの働きとは

文章読解には、いくつかのプロセスがあります。ワーキング・メモリは、そのすべてのプロセスを担当しています。《THE CAT》や《ABC》の例でも示したように、私たちは目で見たとおりに文字を読んでいるわけではありません。文章を理解するのは、あくまでも脳です。

文章読解の認知モデル

文章読解には、いくつかの段階があります。 《目を動かす》《音読する》《単語を探す》《文法をつかむ》 《文章を理解する》の段階です。日頃、読書をするときに、こうしたプロセスを意識する機会はないと思います。ですが、文章を読解するには、非常に高度なテクニックがいるのです。

『自動化』とはなにか

《自動化》とは、「速く、正確で、ほとんど努力のいらない状態」との意味です。つまり、すばやく、かつ正確な処理を無意識で行っている状態を指します。

脳神経学から見た『記憶』

人間の《記憶》について、くわしく説明しておきましょう。大脳にはミクロ繊維の神経細胞が、ぎっしりと1,000億もつまっています。それぞれの神経細胞は互いに手を結び合い、脳内にネットワークを築いています。

シナプスの可塑性

脳神経学の分野では《記憶すること》を「神経回路のつながりかたが変化すること」と説明しています。前の節で説明した通り、神経細胞の間には、わずかな隙聞があります。シナプスを聞にはさんで、情報は電気信号から化学信号に変換されます。

海馬で起きるLTP

海馬に細い電極を刺して、高い周波数でくり返し刺激すると、神経細胞どうしの結びつきが強まります。しかも、数日から数週間たっても、その状態が続きます。

読書時の『目を動かす』プロセスの自動化

それでは早速、文章読解の最初のプロセス《目を動かす》から説明しましょう。米国の大学生を被験者にして、眼球運動を測定した実験データです。アイカメラを使って、被験者の角膜反射を1,000分の一秒単位で計測しました。

『音読する』プロセスの自動化

文章をスラスラと読解するためには、唇を動かさずに読んだほうがいいでしょう。ガムをかんだりキャンディをなめながら読書をするのも、唇読みを解消するのに良い方法です。

エコー記憶 vs イメージ記憶

第一章でも説明した通り、右脳には記憶力が良いという特長があります。情報をイメージに変換して脳にインプットすると、記憶は長続きするのです。加えて、音読では、あまり読書スピードを上げることができません。

速読時は『単語を探す』プロセスが自動化する

人間の頭の中にある、辞書についての説明をしましょう。側頭葉の一部分には、長期記憶のデータが保存されている部位があります。私たちが学校で習った事柄や、経験によって身につけた知識は、すべて一箇所に集められているのです。

『文法をつかむ』プロセスの自動化

文法的処理が自動化していると、普通の文章を読むのには何の労力もいりません。自動化できないのは、難しい文章や、めちゃくちゃな構成の文章を読むときだけです。

『文章を理解する』プロセスの自動化

人間の短期記憶の容量には限度がありますが、文字を《チャンク(意味的なまとまり) 》でとらえれば、相当量を一度に処理できます。これを《チャンキング》と言います。

『内容を憶える』プロセスの自動化

文章読解プロセスの最終段階が、《内容を憶える》処理です。このプロセスには、《記憶》と《思考》の二つの過程があります。まずは《記憶》について説明していきましょう。本に書かれている内容を憶えるには、いったいどうすればいいのでしょうか。

読書には三通りの方法がある

第二章で述べたように、読書は必要に応じていくつかの読みかたがあるものです。飛ばし読みや部分読みは、読書とは言えません。SP式ではいろいろな読書場面を想定して、読書には《全体理解》《精読》《熟読》の三通りがあると考えます。

速読法によって読解力が高まり、すべての成績アップにつながる

速読法をマスターすれば、限られた時間で読書量をふやすことが可能になります。同じ時間を使って多くの情報を仕入れることができるので、当然試験勉強などの効率も大幅にアップ。成績上昇はまちがいありません。

目の機能を高め、より速く、より多く情報を脳に送る

衰えた筋肉では速く走れないのと同様で、目の筋肉が弱いままでは文字を高速で追うことはできません。速読の上級者はそのための鍛えられた目の筋肉を持っています。誰よりも速く読むためには目の筋力トレーニングは欠かせません。

眼筋ストレッチ運動……目の準備体操

眼筋ストレッチ運動は速読トレーニングの基本です。ストレッチで目の筋肉をほぐしておけば、ウォーミング・アップにもなります。運動不足の人がいきなり全力疾走すれば肉離れを起こしてしまうように、目の準備運動なしで速読トレーニングを行うのは危険です。


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