読書には三通りの方法がある
速読法は言うまでもなく本を速く読むための技術です。しかし単に速く読めるだけで、理解力がそれに追いついていかなければ意味がありません。作者の言葉を一言一言味わったり、行問の裏の裏を考察しながら読む読書というものもあるでしょう。
第二章で述べたように、読書は必要に応じていくつかの読みかたがあるものです。飛ばし読みや部分読みは、読書とは言えません。SP式ではいろいろな読書場面を想定して、読書には《全体理解》《精読》《熟読》の三通りがあると考えます。
まず、朝の満貝電車で新聞を読んでいる状況を思い浮かべてください。通常、人が新聞を読む目的は世の中の流れを全体的につかむことにあります。自分に関わる出来事や記事なら詳しく読むでしょうが、細部までは注意して読んでなどいません。このように文章の内容やイメージを大まかに把握する読みかたを《全体理解》と呼びます。《全体理解》は、文脈を理解し、あらすじ、あらまし、大意をつかむための読書方法です。
次に推理小説を読んでいる場面を想像してください。おそらくあなたは完全犯罪のトリックや容疑者のアリバイなどを考え、さらにページごとに展開されるシーンやデータを頭に入れて読み進めていくでしょう。
このように細かい部分まで内容をきちんと理解しながら注意して読んでいく方法を《精読》と呼びます。
《全体理解》に比べるとスピードは若干落ちますが、文章の理解度や読後の満足感は深いものになります。
《精読》は教科書を復習したり、ビジネス文書の決裁をする時の読みかた、と言うことができるでしょう。
そして試験の長文読解の問題に取り組んでいるシーンを考えてください。長文問題は難解な文章が多いもので、何度も読み返したりして、出題者の意図を探りつつ、行間まで深読みしながら慎重に読んでいかなくてはなりません。このような読解の方法を《熟読》と呼びます。《熟読》は深い思考が働く読みかたです。文芸作品の行問を味わいながら読む《味読》も《熟読》の定義に含めます。《精読》以上の思考力と集中力が必要とされ、読書スピードは遅くなりますが、文章理解度に関してはもっとも充実した読みかただと言えるでしょう。
読書方法には《全体理解》《精読》《熟読》の三通りあることがおわかりいただけたでしょうか? 読書する場合、この三つの方法を状況に応じて使い分けることが大切になります。
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