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SP式速読術の三段階ステップ
実践的なトレーニングに入る前に、SP式速読術を習得するプロセスについて、もう一度説明しておこう。速読術マスターには、三つのステップがある。
【1】速読用の目をつくる
第一のステップは、速読に慣れるためのトレーニング。これは言わばウォーミング・アップだ。柔軟体操のような気持ちで取り組んでいただきたい。
平均的な読書スピードを「一般的な成人の歩行」とすれば、速読の上級者の読書スピードは「オリンピック選手の全力疾走」にも匹敵する。世界陸上で活躍する選手たちの身体つきを思い浮かべてほしい。鍛え抜かれた四肢の筋肉は、常人のものとは明らかに違う。誰よりも速く走るためには、しなやかな身体をつくる筋肉トレーニングは欠かせない。それと同様、速読術のトレーニングも、「眼筋ストレッチ」→「視野拡大」→「視点移動」という順番で目の筋肉を鍛えるところから開始する。目を速く動かすには、それに見合った筋肉を鍛える必要があるからだ。
【2】知覚の高速化を引き起こす
第二のステップは、「知覚の高速化」、つまり脳の処理スピードを上げ、潜在能力を活性化させるトレーニングだ。
「インターチェンジ効果」と呼ばれる現象をご存知だろうか? ドライブをしている途中で、高速道路に入ったとしよう。一般道路から高速道路へ進入した直後は、周囲の自動車の猛スピードに馴染めず、(ずいぶん飛ばしているなあ)と感じる。
だが、しばらく走るうちにスピードにも慣れてしまう。窓の外の景色も、次第にゆっくりと流れるようになる。やがて高速道路を降りて、再び一般道路へ。すると、今度は先ほどとは逆に、一般道路の遅いスピードに違和感を覚える。
よく気をつけていなければ、すぐに制限スピードをオーバーしてしまう。これがインターチェンジ効果である。
あなたにも経験がないだろうか?
インターチェンジ効果は、実際の走行速度と体感速度の間にギャップが生じることによって起こる錯覚である。高速道路に入った直後は、窓の外の景色もまたたく間に流れていくだろう。
ところが、そのうち自然と景色がはっきり見えてくる。周囲のスピードに順応し、脳が高速運転に慣れてきたのだ。刺激を与えると、人間の脳は情報処理スピードを上げるのである。SP式速読術では、トレーニングの一環にインターチェンジ効果の原理を取り入れ、脳の処理スピード向上を目指す。
【3】「心内辞書」を引くスピードを向上させる
第三のステップは、「心内辞書」を引くトレーニング。大脳の側頭葉には、心内辞書と呼ばれる蓄積データがある。これまでに学んだ語彙や知識はすべて、この心内辞書に記憶されている。人は本を読むときには、目で文字を追うのと同時に脳で心内辞書を引いている。過去に蓄積されたデータをもとに、文意を理解しているのだ。
スーパーマーケットのレジで、会計を済ませるシーンを思い起こしてほしい。最近は多くの店で商品にバーコードシステムを導入し、会計処理の効率化を図っている。バーコードシステムを使えば、いちいち手で商品の値段を打ち込まなくとも自動で商品データを読み取り、会計処理を行なえる。従来の方法と比較して、ずっと効率的な方法だ。
これと同様、速読の上級者もほとんど自動的に心内辞書を引いている。速読には、このスピードが実に重要なのだ。
では、SP式速読術の三ステップについて、順を追って説明していく。
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