集中力の限界は1.5時間
さあ、あなたのタイムはどれくらいだったろうか?
平均的な日本人の読書スピードは、毎分600文字程度。つまり、大抵の人が訓練文を一分程度で読み終える計算になる。それでは、平均的なビジネスマンが一冊の本を読破するのに、いったいどれくらいの時間がかかるだろうか。
全部で二百四十ページの文庫本を読むとして計算してみよう。一ページあたり六百文字なら、単純に計算して二百四十分。つまり四時間である。しかし、これは机上の空論にすぎない。普通の人は、四時間も集中力は続かない。たいてい読んでいる途中で疲れてしまう。
集中力の限界は平均一・五時間といわれ、これ以上は続けると疲労が勝り、読書スピードは一気に低下する。したがって、一冊の本を読み終えるまでには何回か休憩をはさむことになる。休日でもないかぎり、一日に四時間もの自由時間を捻出できるビジネスマンは少ないだろう。平日なら、自由時間は一時間程度だろうか。その一時間をフルに使ったとしても、おそらく読了まで一週間近くかかるのが普通だ。読書の途中で休憩をはさめば、前の部分の記憶が暖昧となる。失われた記憶を取り戻すためには、ページを戻って読み返すしかない。
あなたの家にも、途中まで読んだまま放り出してしまった本が、一冊や二冊はあるだろう。読んでは戻りの繰り返しで、挫折してしまった本のことだ。集中力が続くのが一・五時間程度だと考えれば、このような結果にも納得がいく。
しかし、気晴らしに小説を読むのならば、時間をかけてゆっくり読んでもかまわないが、これが資格試験のテキストならば話は別だ。一冊のテキストを読破するのに、悠長に時間をかけているわけにいかない。
速読術を身につけたいと思い至る動機として、各種試験の合格やキャリア・アップを目的としているケースは多いだろう。少ない自由時間をやりくりして、一冊でも多くテキストを読みたい。ビジネスに役立つ情報を数多く取り入れたい。だからこそ速読術をマスターしたいのだ。
訓練次第で三倍から十倍程度、読書スピードを引き上げることができる。
毎分六百文字だった読書スピードを五倍アップさせることができたら、と仮定してみよう。自由時間はこれまでと同じ一日一時間でも、読める量は五倍になる。一時間あれば、ごく普通の文庫本をラクに読破できる計算だ。
もちろん、軽い小説とテキストでは内容の難易度も総ページ数も異なるため、単純に比較はできない。それでも、集中力が途切れるまでの時間に、これまでの数倍の量の読書ができることは確実である。
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