どんどん忘れることが記憶力強化のカギ
次に、記憶力のよい人と悪い人の根本的違いはどこにあるのかについて、お話していきましょう。前述のように、ワーキング・メモリーの容量には限度があります。しかし、容量が大きければ大きいほど記憶力がすぐれているのかというと、必ずしもそうではありません。記憶力の良し悪しを決定する重要なポイントは、「ワーキング・メモリーの効率性」です。
前頭葉の箱にためられた一時記憶をいかに有効に使うか。この点について考えていきましょう。
あなたの部屋にもタンスはありますね。そのタンスに洋服がぎっしり詰めこまれていると想像してください。
あなたは黄色いシャツを着ょうと、タンスの扉を開けました。すき間もないほど、ギュウギュウに詰まったタンスの中から、すぐに目あてのシャツをさがし出すことはできますか?
大量のシャツやズボンが無造作に詰めこまれたタンスから一枚のシャツを見つけ出すのは、容易ではありません。「きちんと整理しておけば、すぐに見つかるのに、と、あなたはタンスを前にため息をつくかもしれませんね。
ワーキング・メモリーも、これと同じです。
不必要な情報がいたずらに残っていれば、その分だけ前頭葉の箱はせまくなります。せっかく新しい情報を取り入れようとしたところで、置いておく場所がなければ、どうしようもありません。不要な記憶はすみやかに消去して、新しい情報を受け入れるスペースを常に確保しておくことです。
覚えておく必要のない記憶は、どんどん忘れてしまいましょう。判断に迷ったら、メモしておけばよいのです。メモが残っていると思えば、迷うことなく記憶を抹消できます。あなたが新しい情報に出会ったら、それが重要なものであるかどうかを、常に心に問いかけましょう。いらない情報を捨ててワーキング・メモリーに余裕を作れば、記憶力自体は変わらなくても、結果的に記憶の容量は増大します。
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