スライド読みトレーニング
読書中の目の動きについて話をしましょう。
1879年にフランス人のジャッパルが、一字一句読みの間違いを指摘しました。一字一句に目が止まって読んでいたら、文字が見える限界速度は0.1秒になるので、600文字/分が限界速度になります。一文節で視点移動や行間移動、ページめくりのロスタイムを入れると、2700文字/分前後が限界速度になるでしょう。
では、どのようにしたら本を速く読むことができるのでしょうか。一目で一瞬に複数文字を理解することです。それでも現実の目の動きは、車に喩えるならば、停止と発進を繰り返しており、エネルギーロスの大きな読み方です。
では、車を停止せずに運転したらどうなるでしょうか。エネルギー・ロスが小さく、スピードもアップします。
しかし、そのような読み方で、果たして理解がついてくるのでしょうか? 答えはYESです。SP式の受講生は1行読みのトレーニングとして、スライド読みを行なっています。最初は難しいのですが、訓練中にだんだん慣れてきます。
ただし、条件があります。単語再認の自動化が起ってくる必要があります。単語の知識がスラスラと頭の中から出てこなくては、理解できません。従来の読書では、難しい単語や文節に出逢うと目の停止時間が長くなり、易しいと短くなる、という特徴を持っています。このような視点静止と視点移動を繰り返しつつ、読書を行なうのです。ですから、無理に一定スピードでスライド読みを行なおうとすると、どうしても理解不足の状況が出てきます。難しい所はブレーキをかけてスピードを遅くし、易しい所はアクセルを踏みスピードアップする、つまり、内容によってスピード調整が自由にでき、目は停止せずに滑らかに滑るように文字を見ることが必要なのです。
リーディング・スパン(理解文字数)が広がるほど、この読み方は楽になってきます。皆さんは新幹線の中で「今日のニュース」のテロップが電光掲示板に表示されるのを見たことがあるだろうと思います。この時、目は止まっているのに、文字が動いて頭で音読して、順番に読んでいるはずです。この感覚と同じです。
新聞社のビルの電光掲示板でも、同じ状態を経験することができます。後頭葉の視覚野は電光掲示板に相当し、その信号が電気信号に変換され、言葉を理解する聴覚の中枢で1個ずつに分解されて理解しているわけです。
リーディング・スパンが広がり、理解速度が速まり、目の動きが速まれば、1文字づつ読んでいる感覚で1万文字/分まで読むことも可能です。これが、スライド読みなのです。
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