右脳記憶と方向音痴
次に、車を運転している場合の例で考えてみましょう。
初めての場所に出かけるとき、また、旅行するときなど、何度も地図を調べ、本当に正しい道を走っているかどうか不安を感じつつ、運転をしています。そして、どうにか目的地に到着すると、帰り道では往路の記憶を元にして、あまり迷うことなく戻ってこられます。
この現象もまた右脳の、物の色や形に対する認知能力と深い関係があります。運転しながら、時々刻々と視界に入ってくる特徴ある店や看板、方向チェンジをした交差点などを意識的、無意識的に覚えているのです。更にこれを、頭の中に存在する“白地図”に描き込んでいって、帰途には、その地図を参照するわけです。
これが右脳的な記憶の特色で、いわゆる“方向音痴”の人たちは、最後の“脳内地図に描き込む”という工程ができなかったり、苦手としているのです。方向音痴の人は、店の外観や看板を覚えていても、地図に描き込みません。そのために位置関係や方位がバラバラに乱れてしまい、帰ろうとする際の手懸かりになってくれません。それで「あ、また同じ場所に出てしまった!」といった具合に、せっかく景色を覚えているのに道に迷ってしまう、これが方向音痴です。
コンピューターが、こういう能力を備えたら、人間はロボットに運転させれば良くなり、タクシーやトラックの運転手も不要になります。しかし、まだまだ遙か遠い未来の話、SFの世界のエピソードでしょう。
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