従来型の速読は受験の役に立つのか
ここで言う「従来型の速読」とは、全体を大雑把に理解する読み方です。
この読み方は、あらすじやあらまし、テーマをとらえて、比率的には約70%の理解度で読む読み方です。
精読のスピードや、読破までに要する時間においては精読に優っていますが、他の面では精読に劣っています。
精読とは正確に理解して記憶に残るような、力を入れた読み方であり、脳をコンピューターに喩えるならば、インプットの読み方になります。
理解度や記憶においては、当然、全体理解よりも優れています。
読みを樹木に喩えたら、全体理解は幹や大枝を捉え、全体のイメージを掴んでいます。小説や教養書を趣味の範囲で読む場合には、読書を楽しむことができます。
精読は葉っぱや花など細かな部分まで注意して読みます。専門書や試験問題を読むときは、この精読の読み方が中心になります。
さて、現実に速読を最も必要とする人たちは、時間の制約を受けている受験生(有名中学受験、難関大学受験)、難関資格試験、ビジネス・エリートの人たちでしょう。
厳しい競争に打ち勝つために、読解力、記憶力以上に、定められた時間内で解答する高度な事務処理能力が要求されるからです。
それでは、全体を大雑把に理解する(以下「全体理解」と略す)従来型の速読が、果たして真の意味で時間不足の解消の手段となり得るのでしょうか?
答えは「否」です。
試験では細かなところも設問に出され、受験者の誤読を誘発する“落とし穴”も到る所に設けられています。
ですから、試験レベルが難しくなるほど全体理解の速読は使えなくなるのです。
設問の罠や落とし穴は、受験者に差をつけるためには仕方のないところで、これを咎めることはできません。
そこで、SP式速読法では、従来型速読法の枠には捉われず、精読のスピードを速める試みに取り組みました。
大学受験生を指導していく中で私が得た実感としては、全体理解の速読術を訓練し、読書スピードを速くしても、それで合格者が増えるかというと、あまり相関関係がありません。
要するに大雑把すぎて、前述の、受験問題に必ず伴って存在する“落とし穴”を見抜けないのです。
しかし、精読のスピードを伸ばすと、成績アップと密接な関係が出てくることが分かりました。
受験問題特有のレトリック、言い回しに振り回されずに、時間内に問題把握ができるようになるのです。
では、どのくらいが精読の必要スピードかという見地に立ってデータを収集してみますと、難関校に合格した教室受講生の場合、1分間で2,000文字から4,000文字で精読できる人たちが大多数でした。
司法試験の受講生に、約13時間の速読法の授業を施した結果の精読スピードの平均データは、1分間で2,000文字から3,000文字でした。
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