「倍速視聴」は本当に効率が良いのか?!速読講師の考える『タイパ』
「タイパ」という言葉をご存じでしょうか。
「コストパフォーマンス=コスパ」に倣って発生した略語で「タイムパフォーマンス」を意味します。
2022年11月に発表された『三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2022』にも第1位として選ばれています。
どうやらZ世代を中心に流行している言葉だそうで、アラサーである私にはあまり聞き馴染みのない言葉なのですが…。
三省堂現代新国語辞典によると、タイパの意味として「あることにかけた時間から得られる見返りや利益。時間効率。時間対効果」と書かれています。 (参考):https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/shingo/2022/best10/)
若者はタイパを重視している、という事実を多くの人(つまり私のような世代からズレている人でも)知るようになったきっかけは、ファスト映画であったのではないか?と記憶しています。
映画の内容を要約したYouTubeの動画で、映画を見るのは時間が掛かるので10分以下にまとめたものが流行っており、最終的に著作権侵害として逮捕者も出ました。
何となく悪というか、趣がないとか、追い立てられているとか、良くない意味に捉えられることも多い「タイパ」。
しかし、速読は間違いなく時間対効果を上げるための技術!
前置きが長くなりましたが、今回は「タイパを上げるために速読は有効か」について考えてみたいと思います。
・なぜ人はタイパを重視するのか?
NHK「クローズアップ現代」での調査結果によると、若者がタイパを重視する理由において、半数近くが「自分が勝ちを感じることに時間を割きたい」と答えていました。
また、同番組のなかで、仕事の時間効率を良くしている男性も、子どもとキャッチボールするための時間に充てています。
(参考)https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4793/#p4793_05
速読講師をしていると、良く「ゆっくり読まないと楽しめないから意味がない」と良く言われます。
けれど、日常のなかでは読みたいものの量<読まなければならないものの量ではないでしょうか。
楽しみに取っておいた大好きな作家の新刊を堪能するためにも、仕事上の書類やメール、お知らせや連絡網、資格試験の勉強などは短い時間で効率よく終わらせるに越したことはない、と考えます。
速読の習得は、自分の読みたいものにじゅうぶんな時間を割くのに使えるのです。
・勉強には倍速が有効
同番組のなかで、早稲田大学の教授による調査が紹介されていました。
大学生75人を3つのグループに分け、基礎的な内容の学習動画を1倍(等倍)、1.5倍、2倍で見てもらいました。
見終わったあとに動画の内容についてテストをすると、正答率にほとんど差はなかった、という結果です。
これは、私たちがさまざまな受講生に速読をお教えしているなかでも、痛感するポイントでもあります。
日常的に、自分が読める速度というのは、本来可能な速度より遅く設定しているのです。
家から近くの駅まで走れば7分でも、徒歩なら10分かかるというように、どうしても楽な状態を選択しています。
なので、まずは速度に慣れるだけでも、一気に読書効率は改善されます。
また、同調査結果のなかで「2回見た方が効率が良い」というコメントがありました。
繰り返すことで理解度や定着度は向上しますので、同じ時間であれば2倍速で2回見た方が良い、ということにもなります。
・自分の理解できる速度を知ろう
ただし、もちろん限界があります。
YouTubeの再生速度を2倍まで上げると聞き取れない言葉が出てくるように、読みながら頭のなかで音読していれば当然理解できる速度の限界は2倍速以下となります。
そのため、先ほどの調査も1.5倍速にしていたのではないか…と推測しています。
音読の速度は400文字/分程度、2倍になると800文字/分を超えてしまい、音声化が間に合わない箇所が出てきます。
そのため、それよりも早い速度で読んで理解するためには、音声化を取り、理解度を上げるためには、やはりトレーニングが必要になってきます。
このトレーニングは速読で必須の項目です。
・結論:速度を使い分けすることで、効率をアップしよう!
タイパを重視するあまり、速度をなんでも上げすぎるとどうしても理解度や楽しみの減少にも繋がってしまうのは事実です。
その反面、読書スピードにおいては現状よりも速い速度に慣れることで理解度を落とさずに読むことに割く時間を減らせます。
自分にとって最も大切なもの、重要度の高いものを焦らず余裕を持って楽しむためにも、速読という技術を身に着けてみませんか?
ご自身が読める速度の上限が解らないという方は、ぜひホームページ内の無料速読トレーニングで試してみてください!
(参考)https://www.pc-sokudoku.co.jp/training.html)
本格的にタイパを上げていきたいという方はまずは無料の体験レッスンもご受講ください!