①速読術には【本当に】意味がなかったのか? - 頭の中にインプットしない読書は役に立ちません -
【速読術には意味がなかった?】
SP速読学院の橘遵がこの記事について賛否両論の意見を述べさせていただきます。
例えば「写真記憶」「フォトリーディング」等の
キム式から変化していった速読法。
本を紙面ごと記憶したりする方法ですが、後天的トレーニングによって習得することは困難です。
昭和の天才作家、三島由紀夫氏は生まれつき「写真記憶」ができたことで有名です。
そろばんでも「写真記憶力」(映像記憶力)を鍛えることができます。
暗算を行うのです。
暗算中は頭の中でそろばんの珠が映像として動くのですが、
暗算能力検定試験1級で5桁のかけ算ができる位で、何年も練習しないと習得は困難です。
「写真記憶」は読書には使えないと思った方が正解です。
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次に「再読」
再読すると海馬から長期記憶の「心内辞書(*1)」の部位に背景知識が蓄えられてきます。
頭の中の辞書を「ワーキングメモリー(*2)」が無意識で検索しているのです。
頭に知識があるのだから、読まなくても知っている!知っているから飛ばしても速く読める。
「再読」で速読を学んでいる人は初めて読む本で速読できなかったら、速読はたいして身についてませんね。
そろばんを何年も訓練して映像記憶になるのと同じように、反復読書だけでは習得に大変な時間がかかります。
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最後に「飛ばし読み」
時間が足りないから本文を読まずに問題文を先に読み、
問いに関連する周辺部分だけを読んで解答する方法です。
これは、ビジネス書等で以前に読んだ内容と似たようなことが書いてある。
この場合に「飛ばし読み」は有効ですが、小説には使えません。
小説は初めから読んでいくことにより登場人物や場所や時間等の背景がわかり、
その後はエピソードの展開で読んでいくようになります。
いきなり見開き2ページを読み、説明しろと言われても場面設定ができてなかったら、
何が重要かも判断することは困難です。
こんなことができるのは一部の天才しかいません。
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(*1) 心内辞書 … 脳の中にあり辞書の役割をする
(*2) ワーキングメモリー … 頭の中で情報処理を行う中心の場所