『二月の勝者』となるために!中学受験の速読活用法
『二月の勝者』となるために!中学受験の速読活用法
こんにちは、東京教室インストラクターの継本です。
皆さん『二月の勝者』、観ていますか?! 『二月の勝者』とは、ビッグコミックスで連載中の漫画を原作とし、日テレ系で10月にスタートしたドラマです。
私は友人から原作の漫画を勧められ、一気に購入して夢中で読んでしまいました。
加熱する都内の中学受験がテーマのスポコン、と言っても過言ではないようなお話なのですが、「中学受験」というテーマ、もちろん弊社も他人事ではありません。
毎年多くの中学受験を希望するご本人やご家族とお話してきました。
特にNHKの番組『ニューベンゼミ』で現代文を効率良く解く方法としてSP式速読のトレーニングが紹介されたときは、本当にさまざまなお悩みを聞く良い機会となりました。
『ニューベンゼミ』でのレッスンの様子はコチラから!
今回は、(超カリスマ塾講師である)黒木先生には及ばないものの、数多くの受験生の指導を担当した速読インストラクターとしての視点から、中学受験に必要な速読のスキルについてお話します。
中学受験は、年々激化している
私に漫画を薦めてくれた友人は、同い年(31歳)で、中学受験経験者です。私も、中学受験のある私立校に通っていました。
とはいえ、一部の教育に熱心なご家庭だけの問題なのでは?と思う方も多いのではないでしょうか。
私も友達に、中学受験ってテーマ、あまりにもニッチすぎない?と聞いたところ、「20年前とは全然違うんだよ!」と力説されました。
実際データで見てみると、1991年の全小学校六年生中受験者数は12.8%に過ぎなかったのが、2021年は20.8%。特に首都圏は30.6%と非常に高い割合で推移しています。
受験率が上がった理由として、中高一貫校の増加、私立校の人気上昇、等が挙げられています。
3人に1人が受験、1クラスが40人なら、13人程度は受験する…となると、クラス内の雰囲気が大きく変わりますから、子どもたちも、そして親御さんも焦りますよね。
『二月の勝者』のなかでも、中学入試が近づくにつれ、半分以上の子どもたちが小学校に登校しなくなる、という状況が描かれていました。地域差は大きいようですが、受験しなければ、というプレッシャーがあるようです。
しかし、中学受験は正直とても難しいです!志望校に合格できる子どもは、なんと3割程度。
難関校を目指す受験生が多いためでもありますが、名の知れた学校の試験問題は、大人でも解こうと思っても苦戦する…………はずです。
例えば、関西の名門校灘中学校の試験の難しさは、テレビでおなじみ、東大出身のクイズ王伊沢さんと、東大生たちで解こうするこちらの動画を見ると、その一端がわかります。
暗記するだけではなく、柔軟な発想力と思考力も必須!だからこそ、塾の指導も当然厳しくなります。
『二月の勝者』でも、
春期講習 → 通常授業 → 夏期講習 → 夏期合宿 → 志望校対策 と息つく暇もないスケジュールに皆翻弄されていました。
この高い目標を親子どのように乗り切るのか、全員が試行錯誤しているからこそ、作中に登場する桜花ゼミナールに通う家族をつい応援してしまうのかもしれません。
そもそも「問題文が」読み終わらない?!
さて、冒頭にも書きましたが、弊社でも、中学入試を志している子どもたちと親御さんからご相談を受けます。
その理由の90%以上が「どうしても模試で文章が読み終えられない」こと。
速読教室なので、当たり前かもしれませんが…。塾の先生から、一度速読を習ってから来てください、と言われたと言う子もいました。
最近は大手の進学塾で速読を扱うところも増えてきています。
無理もありません。中学入試の長文読解における文章量は、多いと1万字を越えます。(出典)
1万字というと、大人が普通に読書しても17分程度。
50分で読んでなおかつ解かねばならないため、正確性も求められます。
しっかり内容をインプットしながら読む熟読となれば、平均読書速度は200文字程度。
設問にたどり着いても、最後まで行きつくのは難しい速度です。
国語だけではありません。算数も同様です。
『二月の勝者』の中でも、文章を読むのがそもそも嫌い、という理由で算数の文章題のミスが目立つ生徒への対策が練られていました。
速読というと国語だけにしか対応できないように感じてしまいますが、「文章を読む」という点では全教科共通です。
読書速度≒読書量
何もトレーニングしていなくても、国語がさらさらと解けて、難しい言葉を知っている子の共通項はただひとつ、『読書量が多い』です。
例外はありますが、読書量と読書速度はほぼ同じです。
たくさん本を読んでいる人は読むのが早い、ほとんど読んだことがない人は遅い。
ある意味当たり前です。
私は信じられないくらい球技が下手なのですが、ストラックアウト1枚も抜けない自信があります。
高校球児でした!という方からしたら、うそじゃん!?という気持ちでしょう。事実です。
慣れや経験は、何に対しても重要です。
全国学校図書館協議会の学校読書調査によれば、2021年の小学4-6年生の読書量は月13冊ほど。
学校読書調査によると、朝読書などの導入により増加傾向にあることがわかります。
まだ受験まで期間がある3,4年生ならば、まずは本に触れる機会を増やすことからお薦めします。
この読書量は、のちのちの大学受験、さらには就活にまで影響してくるので、幼いうちに身につけておくに越したことはありません。
読書量は、速度だけではなく語彙力にも関係あります。
中学受験の国語の文章は、児童文学からの出題はほぼありません。
ちくまプリマー新書や湊かなえ、重松清など、中学生以上を対象としている文章が多く出ています。
そのため、多くの文章と触れ合うことで、語彙を獲得しておく必要があります。
読むのが遅いと困っている子のなかには、そもそも受験の問題自体に知らない単語が多く、すらすらと読めない子も多数います。
ただ、いきなり入試に出ました!という帯がある本をどんどん渡しても、子どもたちのやる気は削がれるばかり。
面白そうと感じる本から、手に取れると良いですね。最近はマインクラフトを題材にしたお話も人気のようです。
また、保護者の支援も重要です。
文部科学省の「親と子の読書活動等に関する調査」によれば「親が読書好き」「家にたくさん本が置いてある」「図書館に良く連れていく」という家庭の子どもは、読書量が多いことが認められています。
家族みんなで読書、というのが一番です。
「なぜ遅くなっているのか」検討しよう
読書量をすぐに改善するのは難しく、なおかつ塾のスケジュールはパンパン、読書時間を作るのが難しいという方に即効性があるのは、どうして読むのに時間がかかっているか、考えることです。
むやみに速く読めと強制すると、理解度を著しく下げる可能性があります。
多くの子どもたちを見てきた結果、以下のような理由が多く考えられます。
- 1.語彙力が足りていない:知らない言葉に線を引いて、と言った場合、文章の3割以上に線が引かれる
- まずはひとつ下の学年の文章にたくさん触れましょう。
過去問を中心に読んで、知らない言葉は辞書を引いて書出し、覚えます。
- 2.内容の理解が足りていない:内容を要約しなさい、といった課題の要約で、必要な情報がかなり入っていない
- これは『二月の勝者』にも書いてあり、それ~!と声が出てしまいました。
まずは、文字数や体裁などを気にせず、自分の言葉でまとめてみます。
親御さんに口頭説明するのもお薦め。
その時はヒントや誘導はしないようにしましょう。
その時点でうまくまとまっているようなら、書き方を定型として覚えます。
(~だから、でまとめるなど)逆にうまくまとまっていなければ、最初と最後のみを読み返し、論旨を掴む練習のみを多くの文章でします。
- 3.後で解き直すとほとんど解けている:後半がほぼ白紙になってしまう。自分の意見を述べる問題が後回しになっている
- 速読がかなり効果的です。読書スピードが倍になれば点数も取れるようになります。
読み方のロスを減らせば良いので、具体的にはこちらの記事を参照してください。
私たちも一緒に考えます!
そうはいってみたものの、課題は皆さんそれぞれに抱えていること、もちろんよくわかります。
忙しい受験スケジュールの合間でどうしたら良いか悩んで、ここにたどり着いてくださった方もいらっしゃるかもしれません。
さきほどの3パターンに当てはまれないかもしれませんし、もっと効率よくトレーニングする必要があるかもしれません。
なので、私たちインストラクターも、一緒にどうしたら良いのか考えます!
そして可能な限り最短で最適な効果の出るトレーニングプランを作成します。
中学受験用の教材も備えているので、すぐにでも実践的に練習できます。
また、弊社の授業はフリータイム制の個別指導なので、塾などが忙しいときは日程を調整しながら受講できます。
ここで、『二月の勝者』黒木先生の名言を。
「2月1日の本番その日まで、学力は伸びます」
今年もあと僅か。
無料体験レッスンはオンライン、教室どちらでも受講可能です。お気軽にご相談ください。