「幸福の王子 Oscar Wilde」
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町の上に高く柱がそびえ、その上に幸福の王子の像が立っていました。
王子の像は全体を薄い純金で覆われ、 目は二つの輝くサファイアで、 王子の剣のつかには大きな赤いルビーが光っていました。
王子は皆の自慢でした。 「風見鶏と同じくらいに美しい」と、 芸術的なセンスがあるという評判を得たがっている一人の市会議員が言いました。
「もっとも風見鶏ほど便利じゃないがね」と付け加えて言いました。 これは夢想家だと思われないように、と心配したからです。
実際には彼は夢想家なんかじゃなかったのですが。
「どうしてあの幸福の王子みたいにちゃんとできないの」 月が欲しいと泣いている幼い男の子に、賢明なお母さんが聞きました。
「幸福の王子は決して何かを欲しがって泣いたりしないのよ」
「この世界の中にも、本当に幸福な人がいる、というのはうれしいことだ」 失望した男が、この素晴らしい像を見つめてつぶやきました。
「天使のようだね」と、 明るい赤のマントときれいな白い袖なしドレスを来た養育院の子供たちが聖堂から出てきて言いました。
「どうしてそのようなことがわかるのかね」 と数学教師がいいました。 「天使など見たことがないのに」
「ああ、でも見たことはありますよ。夢の中で」 と子供たちは答えました。
すると数学教師は眉をひそめてとても厳しい顔つきをしました。 というのは彼は子供たちが夢を見ることはよろしくないと考えていたからです。
ある晩、その町に小さなツバメ
王子の像は全体を薄い純金で覆われ、 目は二つの輝くサファイアで、 王子の剣のつかには大きな赤いルビーが光っていました。
王子は皆の自慢でした。 「風見鶏と同じくらいに美しい」と、 芸術的なセンスがあるという評判を得たがっている一人の市会議員が言いました。
「もっとも風見鶏ほど便利じゃないがね」と付け加えて言いました。 これは夢想家だと思われないように、と心配したからです。
実際には彼は夢想家なんかじゃなかったのですが。
「どうしてあの幸福の王子みたいにちゃんとできないの」 月が欲しいと泣いている幼い男の子に、賢明なお母さんが聞きました。
「幸福の王子は決して何かを欲しがって泣いたりしないのよ」
「この世界の中にも、本当に幸福な人がいる、というのはうれしいことだ」 失望した男が、この素晴らしい像を見つめてつぶやきました。
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ある晩、その町に小さなツバメ
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