読書スピード計測


あなたの読書スピードを計測します。
「開始」を押して、表示される文章を読んでください。
あらすじを取るくらいの理解度で読んでいきます。

「次ページ（→）」を押して読み進めてください。

最後にあなたの読むスピード（分速）が表示されます。

「開始」でトレーニングスタート、「終了」でトレーニングを終了します。

　旭滝の前には以前《功徳山瀧源寺》という伊豆では唯一の普化宗寺院があったが、明治初年に廃宗となり、本尊の木彫の十一面観音菩薩立像と不動明王座像の二体は静岡県指定文化財となって北条幻庵の菩提寺である金龍院に安置された。
　北条幻庵とは、小田原北条家初代の早雲の三男で、早雲から氏直まで北条五代の時代を生き続け、裏で忍者集団の風魔一党を指揮して政治や軍事の両面において歴代の当主を支え続け、北条家にとってなくてはならない存在だったと言われている。
　また、尺八の名曲として知られる《滝落ちの曲》は旭滝の景観に発想を得て作曲されたと伝えられている。
　旭滝は修善寺の観光名所の一つであり、駐車場もあるが、十台分しかスペースがない。
　要するに、地形的に大勢の人間が入れる場所ではないから、ここで誘拐犯人が身代金を受け取るとはまず考えられない。
　おそらくは〝桂子姉妹〟に果たして刑事の尾行が付いているか否かを、どこか遠くから観察して確認しようという魂胆なのではないだろうか。
　それで「どうやら大丈夫」と見たら、次の行き先が指示される……。
　五千万円をバイクの荷台にセットされた籠の中に入れつつ、桂子が自分の推測を述べると、なつみはにっこりとしてお世辞を言った。
「さすがは修善寺随一の老舗の女将に二十台の若さでなられただけのことはありますねえ。静岡県警は人材不足で有名ですから、そのうちに県警本部長が新井旅館まで桂子さんを『ぜひ捜査一課に』って、スカウトに伺うかも知れませんよ」
「まさか、冗談を。県警の幹部の皆さんが御贔屓にしてくださるのは大歓迎ですが」
　と応じたところで、なつみが桂子の異常緊張ぶりを気遣ってリラックスさせようとジョークを言ったのだと、はたと気がついた。
　がちがちに硬く凝っていた肩の荷が、ほんの少しだが下りたような気がして、桂子は大きく息を吐き出しつつバイクに跨った。
　なつみの乗ったバイクを背後に従えて、いよいよ第一の目的地の旭滝に向かい、誘拐犯人と一億円の身代金を巡っての虚々実々の駆け引きのスタートである。

読書スピード計測


お疲れ様でした。

文章の内容を覚えてしまった場合、正しい数値が計測できない場合があります。
その場合はトレーニング一覧ページより「読書スピード計測（各種文章）」より正しい数値を計測しましょう。

「もう一度」ボタンを押すと、トレーニングを再度行う事ができます。別のトレーニングを行う場合は「トレーニング一覧ページ」へお戻りください。