読書スピード計測


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　「ごうかなものだ！きれいだ！すばらしい！」
　こんな言葉が、口から口へと伝わりました。そして、だれもかも、心から満足しました。皇帝は、ペテン師のおのおのに、ボタン穴にさげる騎士十字章と、織り物貴族の称号をたまわりました。
　行列の行われる日の前の晩、ペテン師どもは夜通し起きていて、ロウソクを十六本以上もともしていました。二人が、皇帝の新しい着物を仕上げようと、いそがしく立ち働いているのが人々にも見えました。二人は、織り物を、はたから取り外すようなふりをしました。大きなはさみで空をたちました。糸の通していないぬい針でぬいました。そうして、とうとうしまいに言いました。
　「さあ、おめし物ができあがりました。」
　皇帝は、身分の高い宮内官を連れて、そこへおいでになりました。二人のペテン師は、何かをささげるかのように、一方のうでを高く差し上げ、そして言いました。
　「ご覧ください！これが、おズボンでございます。これが、お上着でございます。これがおがいとうでございます。」
　というようなことを、いろいろ言いたてました。
　「このおめし物は、まるでクモの巣のように軽うございます。おめしになっても、何もお体にお付けになっていないようにお思いでございましょう。しかし、それこそ、このおめし物の値打ちのあるところなのでございます。」
　「なるほど！」

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