「河童 芥川龍之介」
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三年前の夏のことです。僕は人並みにリュック・サックを背負い、
あの上高地の温泉宿から穂高山へ登ろうとしました。穂高山へ登るの
には御承知のとおり梓川をさかのぼるほかはありません。僕は前に穂
高山はもちろん、槍ケ岳にも登っていましたから、朝霧の下りた梓川
の谷を案内者もつれずに登ってゆきました。朝霧の下りた梓川の谷を
――しかしその霧はいつまでたっても晴れる景色は見えません。のみ
ならずかえって深くなるのです。僕は一時間ばかり歩いた後、一度は
上高地の温泉宿へ引き返すことにしようかと思いました。けれども上
高地へ引き返すにしても、とにかく霧の晴れるのを待った上にしなけ
ればなりません。といって霧は一刻ごとにずんずん深くなるばかりな
のです。「ええ、いっそ登ってしまえ。」――僕はこう考えましたか
ら、梓川の谷を離れないように熊笹の中を分けてゆきました。
しかし僕の目をさえぎるものはやはり深い霧ばかりです。もっとも
時々霧の中から太い毛生欅や樅の枝が青あおと葉を垂らしたのも見え
なかったわけではありません。それからまた放牧の馬や牛も突然僕の
前へ顔を出しました。けれどもそれらは見えたと思うと、たちまち濛々
とした霧の中に隠れてしまうのです。そのうちに足もくたびれてくれ
ば、腹もだんだん減りはじめる、――おまけに霧にぬれ透った登山服
や毛布なども並みたいていの重さではありません。
あの上高地の温泉宿から穂高山へ登ろうとしました。穂高山へ登るの
には御承知のとおり梓川をさかのぼるほかはありません。僕は前に穂
高山はもちろん、槍ケ岳にも登っていましたから、朝霧の下りた梓川
の谷を案内者もつれずに登ってゆきました。朝霧の下りた梓川の谷を
――しかしその霧はいつまでたっても晴れる景色は見えません。のみ
ならずかえって深くなるのです。僕は一時間ばかり歩いた後、一度は
上高地の温泉宿へ引き返すことにしようかと思いました。けれども上
高地へ引き返すにしても、とにかく霧の晴れるのを待った上にしなけ
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時々霧の中から太い毛生欅や樅の枝が青あおと葉を垂らしたのも見え
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文章の内容を覚えてしまった場合、正しい数値が計測できない場合があります。
その場合はトレーニング一覧ページより「読書スピード計測(各種文章)」より正しい数値を計測しましょう。
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