読書スピード計測


あなたの読書スピードを計測します。
「開始」を押して、表示される文章を読んでください。
あらすじを取るくらいの理解度で読んでいきます。

「次ページ（→）」を押して読み進めてください。

最後にあなたの読むスピード（分速）が表示されます。

「開始」でトレーニングスタート、「終了」でトレーニングを終了します。

　妻は何とも言わなかった。二、三日してから、宝丹を飲ましたかと聞いたら、飲ましても駄目です、口を開きませんという答えをした後で、魚の骨を食べさせると吐くんですと説明するから、じゃ食わせんがいいじゃないかと、少し慳貪にしかりながら書見をしていた。
　猫は吐気がなくなりさえすれば、依然として、おとなしく寝ている。このごろでは、じっと身をすくめるようにして、自分の身を支える縁側だけが頼りであるというふうに、いかにも切りつめたうずくまり方をする。目つきも少し変ってきた。初めは近い視線に、遠くのものが映るごとく、悄然たるうちに、どこか落ちつきがあったが、それがしだいに怪しく動いてきた。けれども目の色はだんだん沈んで行く。日が落ちてかすかな稲妻が現れるような気がした。けれども放っておいた。妻も気にもかけなかったらしい。子供はむろん猫のいる事さえ忘れている。
　ある晩、彼は子供の寝る夜具の裾に腹ばいになっていたが、やがて、自分の捕った魚を取り上げられる時に出すようなうなり声を挙げた。この時変だなと気がついたのは自分だけである。子供はよく寝ている。妻は針仕事に余念がなかった。しばらくすると猫がまた唸った。妻はようやく針の手をやめた。自分は、どうしたんだ、夜中に子供の頭でもかじられちゃ大変だと言った。まさかと妻はまた襦袢の袖を縫いだした。猫はおりおりうなっていた。
　明くる日は囲炉裏の縁に乗ったなり、一日うなっていた。茶をついだり、やかんを取ったりするのが気味が悪いようであった。が、夜になると猫のことは自分も妻もまるで忘れてしまった。

読書スピード計測


お疲れ様でした。

文章の内容を覚えてしまった場合、正しい数値が計測できない場合があります。
その場合はトレーニング一覧ページより「読書スピード計測（各種文章）」より正しい数値を計測しましょう。

「もう一度」ボタンを押すと、トレーニングを再度行う事ができます。別のトレーニングを行う場合は「トレーニング一覧ページ」へお戻りください。