読書スピード計測


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　と、手下の一人に、うちの様子をさぐってくるように言いつけました。
　この手下は、家がひっそりとしているのを見て、明かりをつけるため、台所に入りました。すると、らんらんと火のように光る猫の目をまだ火がついている石炭だと思ったので、マッチを近づけて火をつけようとしました。ところが猫は、すぐむきになるたちだったので、泥棒の顔に飛びかかって、つばをひっかけ、つめでひっかきました。泥棒は、ひどく驚いて駆け出し、裏の戸口から外に出ようとしました。すると、そこに寝ていた犬が、飛び上がって、泥棒の足にかみつきました。それから、泥棒が中庭を通って、こやしのそばを走りかかると、ろばが、後ろ足で、したたかにけとばしました。その物音に目を覚まして、きっとなったおんどりは、横ばりの上から、「コケコッコー」と鳴きました。
　それで、泥棒は、精いっぱい走って、かしらのところに帰って、言いました。
　「ああ、あの家には、恐ろしい魔女が座っていて、息を吹きかけ、長い指で、わたしの顔をひっかきました。それから、戸の手前に、ナイフを持った男が立っていて、わたしの足を突き刺しました。中庭には、黒い怪物が寝ていて、こん棒でわたしに打ってかかりました。屋根の上には、裁判官が座っていて、『悪者を連れて来い』と、どなりました。それで、わたしは逃げてきました。」
　それからは、泥棒たちは、その家には、もう入ろうとはしませんでした。四人組のブレーメンの楽隊は、そこがたいそう気に入ったので、二度と出て行こうとしませんでした。これは、この間聞いたばかりの、ほやほやの話です。

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