読書スピード計測


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　ある人が、ろばを一匹持っていました。このろばは、もう長い間、飽きもせず、いっしょうけんめい袋を水車小屋に運びましたが、いよいよ力が尽きてしまったので、仕事にはだんだん役に立たなくなりました。そこで主人は、ろばをやっかいばらいしようと考えましたが、ろばは、風向きの悪くなったのに気づいて逃げ出し、ブレーメンの町に出かけました。そこに行けば、町の楽隊に入れるかもしれないと考えました。
　しばらく行くと、猟犬が道に寝ているのを見つけました。疲れたように、ハアハア言っていました。
　「これこれ、なんできみは、そんなにハアハア言っているんだい、猛犬くん？」
　と、ろばは尋ねました。
　「ああ、僕は年をとって、日ごとに弱り、もう狩りにも出られないので、主人は僕を撃ち殺そうとした。それで逃げてきたんだが、さて、どうしてパンを稼いだらいいものやら？」
　と、犬は言いました。
　「どうだね、きみ、僕は、ブレーメンに行き、あそこで町の楽隊に入るのだ。君も一緒に行って、楽隊に雇われたまえ。僕はギターを弾くから、君は太鼓をたたくさ。」
　と、ろばは言いました。
　犬は、それはけっこうだ、と言い、一緒に歩き続けました。いくらも行かないうちに、道ばたに猫が座っていて、三日も雨続きのような顔をしていました。
　「これこれ、なんで君は困っているのかね、年寄りの、ひげのおしゃれさん？」
　と、ろばは言いました。
　猫は答えました。

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