読書スピード計測


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「だが、一、二年すると、お互い消息が分からなくなりましてね。なにしろ西部はばかでかい所で、その西部中を忙しく飛び回っていましたからね。しかしジミーは生きていればここに会いに来ます。ジミーは昔から絶対うそをつかぬ、 世界一義理堅い男でしたからね。忘れたりはしません。私は今夜この入り口に立つために千マイルもの所から来たんです。だが昔の相棒が現れてくれれば、十分もとは取れ
ますよ。」
待っている男は立派な懐中時計を取り出した。小さなダイヤモンドがちりばめてあった。
「十時三分前だ。」と彼は言った。「私たちがこのレストランの入り口で別れたのはちょうど十時だった。」
「西部では、かなりうまくやったんだね?」 と警官は尋ねた。
「そりゃ、もう。ジミーが私の半分でもうまくやっておればと思いますよ。ジミーはいいやつでも、のろまな堅物でしたからね。私は生き馬の目を抜くような連中と渡り合って、財産をこしらえましたよ。ニューヨークでは人間が型にはまってしまう。人間が切れるようになるには、西部がいちばんですね。」
警官は警棒をくるくる回して、一、二歩、歩きだした。
「じゃあパトロールに出るとしよう。友達が間違いなく来てくれるといいな。ちょっとは待ってやるのかね?」
「ええ、待ちますよ。」と相手は言った。
「少なくとも半時間は待ちますよ。 ジミーは、生きていれば、その頃までには来るでしょうからね。それじゃあ、お巡りさん。」
「じゃあ、さようなら。」 と言って、警官は一軒一軒戸締まりを調べながら、巡回区域を歩いていった。

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