速読書評『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』
山口インストラクター書評『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』
ジム・コリンズ (著), 山岡 洋一 (翻訳)
360ページ
ベストセラー『ビジョナリーカンパニー』の著者が7年ぶりに書き下ろす、飛躍企業11社の秘密。徹底的なデータ分析に裏付けられた超優良企業の条件。「どうすればグッド・カンパニーはグレート・カンパニーになれるのか」という問いを追求する。
【読書の所要時間】 50分(精読で1回)
この本を選んだきっかけは前回書評を行った本『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』の作者岩田松雄さんが『ビジョナリーカンパニー2』の事を絶賛されていたのでぜひ読んでみたいと思いました。
良好は偉大の敵である。今の状態に満足してしまう状況下においても偉大を目指すことができたらその人は素晴らしい精神の持ち主だと思います、
企業においても同じことが言えます。これだけ売上がでたら十分であるとか、今月の目標を達成してしまったのでそれで満足してしまっていては良好の状態に留まってしまいます。
この本を読むことによって個人が又は企業がどうしたら良好から偉大になることが出来るのかの指針を与えてくれるような気がします。リーダーシップを発揮されている方は世の中に大勢いらっしゃいます。しかし真のリーダーシップこの本で言われている第5水準のリーダーシップの方はごく僅かになってしまいます。
存続が危うい企業でもリーダーシップを持つ方が指揮を執ることにより経営が大きく向上すことがあります。しかしそのリーダーシップを持つ方が抜けただけで業績が大きく悪化してしまうこともあります。第5水準のリーダーシップを持つ方はその方が抜けた後も企業が成長し続けることが出来るようにしていきます。
組織を作るのに当たってバスの例え話が出てきます。目標を立ててから人材を選ぶのではなく、人材を選んでから目標を立てる方が効果的になります。バスに適切な人を乗せて目的地に向かうのならいいのですが、不適切な人も乗せてしまう可能性もあります。不適切な人をバスに乗せてしまった場合は途中で降りてもらわなくなくてはなりません。一方適切な人だけを乗せてしまえば非常に目的地までスムーズに進むことが出来るのです。
本の中に針鼠の概念というものが出てきます。複雑なものでも本質も見出し単純にすることによって効果的に物事を運ぶことができるようになります。単純明快さの利点を利用すれば力が分散したり、焦点がぼやけたり、方針の一貫性がなくなるというような問題が少なくなります。
本の中で一番好きだったところは弾み車のように勢いをつける事によって飛躍的に進歩が可能だという事です。最初は力いっぱい押しても少しずつしか動きません。しかし押し続けることによって、効果的な押し方をすることによって同じ力で押しても弾み車の勢いは止まらなくなります。この本を通して組織におけるリーダーの役割そして成長する過程について多くの事を学ぶことができ非常にお勧めの本だと思います。
(山口インストラクター 2013年5月)