山口インストラクター書評『ディズニー白熱教室「仕事で大切なこと」を知る授業』
ディズニー国際カレッジ・プログラム運営事務局 (著)
204ページ
ディズニー白熱教室とは、フロリダのディズニー・ワールドで世界各国の学生を対象に行なわれる、ディズニー流の働き方や仕事のエッセンスを詰め込んだ研修プログラム(ディズニー国際カレッジ・プログラム)。 そこで学べるのは、自分も人も幸せにする働き方。
【読書の所要時間】 25分(精読で1回)
この本を読んでみたいと思ったきっかけは以前にディズニー・カレッジというものがあり、そこでは一体どんなレッスンが行われているのか気になっていました。ディズニーのスタッフはキャストと呼ばれているのはご存知の方も多いと思います。
一方お客様のことをゲストと呼んでいます。ゲストはカスタマーやビジターとは明らかに違います。ゲストはディズニーで最大のおもてなしをキャストから受けるのです。キャストの方はほとんどの方がアルバイトの方です。しかし1人1人のキャストは仕事に対するモチベーションも高く、ゲストを喜ばせるために必死に努力しているのです。
最初にアルバイトで登録された方が行うことはディズニー・カッレジによる授業です。創始者であるウォルト・ディズニーについて学びます。そして企業理念であるゲストに素晴らしい夢と感動、喜び、安らぎを提供することを実践できるようにしていきます。
意外かもしれませんがキャストには非常に厳しいルールがあります。ルールは多すぎるというわけではないのですがシンプルで分かりやすいものが多いです。1回でもルールを破ってしまえばもう二度とディズニーで働くことができなくなってしまう場合もあります。
この本を読んでいて面白いなと思ったことは仕事に対して付加価値をつけていくということです。ディズニーの仕事はレジ打ちや清掃、アトラクションの説明など非常に単純なものが多いのですが、キャストは自分の仕事に大して責任を持っています。トラブルがあったときにもすみませんでしたと謝るだけではありません。いついかなる時もゲストを満足させるということを行います。
ゲストを満足させるのにマジカル・モーメントという言葉があります。
ディズニーを訪れるゲストに感動という魔法をかけていきます。またディズニーに来たいという気持ちになるのです。マジカル・モーメントを作るためにはアイデアが必要です。ありきたりの事をしていても感動は生まれません。常にゲストを満足させたいという姿勢が様々な奇跡を生み出していくと思います。
この考えや姿勢は一般の企業でももちろん学校や普段の生活の中でも応用していくことは可能です。家族や友達や近所の人やお客様や職場の人など様々な場所で付加価値をつけていくことができます。当たり前のことを当たり前に行うことは誰でもできると思います。しかし人を喜ばせるために最大の努力をするという姿勢は本当に素晴らしいと思います。
もうひとつ心に残ったのは「NO」とはすぐに言わないということです。NOというのは簡単ですが、ゲストに最善を尽くすということにはなりません。決してあきらめずに他の可能性を見出していくという事も大切です。あるいは「NO」という前にいろんな事を試してみるというのも面白いかもしれません。この本を通して仕事や普段の生活の姿勢も良い方向に変えられるのではないかと勉強できました。本も非常に読みやすいですのでとてお勧めの1冊です。
(山口インストラクター 2013年1月)