速読書評『池上彰の政治の学校』
山口インストラクター書評『池上彰の政治の学校』
池上 彰 (著)
240ページ
国会、政党、官僚制などの政治の基礎から、混迷する現在の政局まで、あの池上さんがわかりやすく解説する。
ネットと政治、橋下現象に象徴されるポピュリズムなどの新しい話題も満載。
アメリカ大統領選など世界各国の選挙事情にも触れる。
【読書の所要時間】 38分(精読で1回)
テレビのニュースを見ているとアメリカでは民主党からオバマ大統領と共和党からロムニー氏が選ばれて大統領選挙が話題になっています。日本でも消費税増税や子供手当て医療費や年金、そして社会保障などのセーフティネットの話題を聞かない日は無いほどです。
長い間日本では自民党が政権を握っていましたが今では民主党に代わりました。
かつてないほど人々の関心は政治に向いているのではないかと思います。しかし政治の世界には分かりにくい用語やどうして国民に反対されるような政策が可決されようとしているのか素人にはわかりにくい所も多々あります。
本書では政治にあまり関心の無かった方たちにも読みやすいように配慮して書かれていると感じました。また日頃よく耳にする政治用語なども非常に分かりやすく解説してあります。
日本では選挙権が20歳になってから与えられますが、外国ではもっと若い人々にも選挙の機会が与えられる国も存在します。若い人々が政治に関心を無くしてしまって投票に行かなければ、政治家はますます票を入れて貰える世代の方達にしか働かざるを得ません。
高齢化社会に拍車がかかり少子化問題も解決できなくなってしまいます。
冒頭で出てきましたアメリカでは、高校で模擬投票を行っているところもあるそうです。選挙権が18歳からあるので学生の頃から政治に関心が持てるのです。
日本も学生の頃から政治に関心を持つ人々が増えてきたら大きく変わるチャンスです。政治家が若い世代にも今以上に力を注いでくれることでしょう。
デンマークでは投票率が80パーセントを切らないそうです。なぜ国民の投票の意識がこんなに高いのでしょうか? それは国民が納めた税金の使い道を決める人(政治家)をしっかりと選んでいるからです。国民の理解が得られた政策を取っていくのは時間がかかるかもしれませんが素晴らしいと思います。
本書を通して政治に関してもっと興味を持つことができました。政治に対して無関心になってはいけないと思います。アメリカのように若いうちから政治に関心をもち、デンマークのように国民全体で政策を決めていくことが大事だと感じました。
日本の政治をより良いものにするには国民の理解と協力が必要だと思います。
とてもお勧めの本です。
(山口インストラクター 2012年11月)