速読書評『3日もあれば海外旅行』
矢成インストラクター書評『3日もあれば海外旅行』
吉田 友和 (著)
251ページ
忙しくても、「短く」「何度も」旅に出よう!
休みが取りづらい日本人だからこそ、旅は工夫次第で面白くなる。
LCC就航やスマートフォンの浸透で大きく変化した、旅の技術を一挙公開。
【読書の所要時間】 17分(1回)
お盆休みも終わりですね。
長期休暇の度に何処かへふらっと旅行へでもと思うのですが、なにせ人が多い…。しかも、何処に行くのにもこの時期は交通費が割高になってしまいますね。航空券は旅費の中でもあくまで移動手段でしかないのに、旅費全体に占める割合はかなり大きい。さらに、短期になればなるほど全体に対する費用の割合は増えてしまう。学生の頃のように1、2ヶ月間、バックパック背負ってゆるゆると移動できるだけの余裕があるならまだしも、限られた時間とその中でできることに対して支払う交通費のことを考えると進めていた旅行計画もどうだろなと足踏みをしたくなります。
そこで気になるのがLCC(Low Cost Carrier)。至る所でその価格の安さで目をついてくるのでご存知の方も多いですよね。
日本に就航しているLCCは国内、東アジア近郊行きが主なところ。本書は週末旅行を謳い文句にしているくらいなのだから、まさか東アジアへの短期旅行を提案するなんてことはないだろうと、もっと有意義な情報を載せているだろうと目を爛々と輝かせながら頁を操っていたのですが、嬉しいことに私の欲しかった情報も本書で見つかりました。
著者によれば東アジアに限らず、東南アジアくらいまでなら3日あれば行ける、10日あれば世界一周も可能なのだそうです。仕事が終わったその足で週末を利用すれば海外旅行には出掛けられるというわけです。東南アジアともなると、LCCが日本から直接就航していない国がほとんどですね。そこで提案されているのがインターネット経由で海外発券をして周遊旅行しましょうというプラン。LCCなんていう言葉が普及する以前からハブ空港での海外発券は交通費削減のテクニックでしたよね。特にバンコク発券は未だ魅力的みたいですが、LCCが普及した今注目したいのはソウルで発券。日本からは直接行けない都市へもソウルを経由すれば行き先の幅がぐっと増えてきそうです。これらを利用すれば、週末旅行に相応しい価格で国内をふらっと旅行するよりも結果的に安くなんていうこともあり得るわけですね。
航空券の時事情報というのは刻々と変化していくものなので、なかなか捉えどころがなく旬を見極めるのが難しいなと感じてしまうものですが、本書ではその辺りの航空会社事情や基本的な仕組みも説明しているのでメディア経由のバラバラで不安定な断片的知識の穴埋めに多いに役立ってくれます。
旅行に行くきっかけづくりから、お得な航空券の取り方、短期旅行をうまく楽しむ為のコツ、あると便利な道具の紹介等々… 基本的な情報は一通り知ることが出来ます。
通しで読んでしまえば、短期旅行に出掛ける為のノウハウは一通り身につきますよ。ただし、この手の書物は読んで理解しただけでは殆ど価値がありませんね。
読んで実践してこそ価値が出てくるものです。なのでさっそく試しに先の予定を一部埋めて、航空券を取るところまでやってみました。とりあえず準備は出来たので、後は数日で本当に楽しめるのか当日実践あるのみです。
(矢成インストラクター 2013年8月)