速読書評『MM9』
木野インストラクター書評『MM9』
山本 弘 (著)
368ページ
曲者揃いの気象庁特異生物対策部が挑むは”怪獣災害”!
日本に襲い来る多彩な怪獣たちと戦う気特対の活躍。
怪獣マニア、SFマニアからも絶賛された、本格SF+怪獣小説。
【読書の所要時間】 45分(精読で1回)
怪獣の実在する世界、自衛隊と連携し怪獣と戦うスペシャリスト集団「気特対」の活躍を描いた本格SF+怪獣小説! という触れ込み。
男なら熱くならざるを得ない! ってことで面白そうだったので読んでみました。
ただこれ、全く触れ込みとは違います! 絶対に「本格SF」では無いし「自衛隊との連携」もまあ、ゴジラ映画ではおなじみの主人公達が怪獣の本質を調査→自衛隊が退治の流れです。
でも、紹介文と違う事を除けば自分のように怪獣・特撮・神話・妖怪といったワードが好きな人間にはなかなかたまらないエンターテイメントです。
ポイントは短編集の体を取っている事。だからダレません。
まさしくウルトラマン(正確にはウルトラQの方が近いですが)を一話ずつ見ている感じ。
実際テレビドラマとして実写化されていますが怪獣ものである上実は結構スケールが大きな物語のため、映像再現はあきらめ設定・ストーリーはほぼドラマオリジナルの物となっているそうです。
でもアニメなら映像再現が容易になりますし「本格SFではない」点が良い影響を出してすごく面白くなりそうな予感がするのですが…。ぜひ!
内容に関して言えば上記ワードのようないらない(笑)知識がある人間からするとニヤリとさせられる場面も多く、また作者の知識量とそこからくる独自理論に首を傾げたり頷いたりして世界観にうまくひたれますし、興味のない人は本当にダメ! でも逆にその辺が愛着をもたらすというか。
ストーリーについても色々語りたい所ですがすぐネタバレになってしまうのでストップします。
なんというかこの世界観がもっと広がらないか妄想を刺激される作品ですね。
実際続編が連載されているそうなのでそちらもぜひチェックしてみようと思います。
(木野インストラクター 2013年5月)