ワーキングメモリーとは?
インストラクターWです。
本日より本部である京都教室のブログがこちらのSP公式ブログと統合されました!どうぞこれからもよろしくお願い致します。
今日は移転第一回目の記事ということで、簡単に速読について触れておきたいと思います♪当学院の速読は認知科学を土台としているため、様々な学術用語を用いております。今日はその中の一つである、「ワーキングメモリー」について触れておきたいと思います。速読をマスターする際に、鍛えなければならない最重要能力であるこのワーキングメモリー、いったいどのようなものなのでしょうか?
ワーキングメモリーとは、端的にいいますと「貯蔵」と「処理」を同時に行う記憶のことを言います。別名は作動記憶です。
むかしむかし、学者さんたちはヒトの記憶についての研究を進めようと頑張っておりました。そこで、まずは便宜的に記憶の種類を分けたわけです。分け方も千差万別なのですが、ここでは大きく長期記憶(long-term memory)と短期記憶(short-term memory)について触れておきましょう。これらは字義通りの記憶で、LTM STMと略して用いられることが多いです。
ところが。短期記憶という名前だと、なんだか一見長期記憶に劣っているように見えませんでしょうか?その名の通り、短時間しか保持できない記憶なのですから。
そこで名づけられたのがワーキングメモリーという名前です。
1974年、Baddeleyというおじちゃんが付けたそうです。ワーキングメモリーは正確には短期記憶と同一の概念ではなく、短期記憶の概念を発展させたものとして研究がすすめられました。
さて、ではこのワーキングメモリー、いったいどういうときに使うのでしょうか?さきほど触れたとおり、それは「貯蔵」と「処理」を同時に行うときなのです。
例えば。
貴方が今、27×3という計算を計算機を使わずに暗算でしたとしましょう。
まず1の位を計算します。これで21ですよね。
次に、10の位を計算します。これで60ですよね。
そして最後に、21+60で81という最終的な回答にたどり着くわけです。
まず、今あなたは21と、60という数字を覚えましたよね?これがここでいう「貯蔵」です。
次に、それらの数字を足しました。これが「処理」に該当するわけです。
このように、日常生活を送る上で大切な能力であるワーキングメモリー、実は文章を読むときも用いられているのです。たった今、この瞬間も。まぁ考えてみれば当たり前の話でして、一行目の内容を「貯蔵」できずに忘れてしまっては、二行目の内容を読んで理解し、「処理」することはできませんよね。
と、いうことで。当学院ではこのワーキングメモリーを鍛えることによって、読書に必要な「貯蔵」と「処理」の作業を驚くほど効率よく、そして素早く行い速読を可能にしているということなのです。
それでは、この重要な能力・ワーキングメモリーはいかにして鍛えることが可能なのでしょうか?
次回に続きます☆