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脳をおだてて活性化する
「ヤル気ホルモン」と呼ばれる、サイロトロピン放出ホルモン(TRH)の働きについて紹介しよう。
脳の視床下部でつくられるTRHは、脳下垂体に働きかけサイロトロピンという名のホルモンを分泌させる。サイロトロピンは甲状腺に働きかけ、サイロキシンと呼ばれるホルモンが分泌される。サイロキシンが放出されると、全身の交感神経は興奮状態に陥る。動物なら、攻撃を仕かけるときの状態である。意識は覚醒し、よい意味での緊張感がみなぎってくる。TRHをごく少量、動物の脳に接種すると非常に元気になる。サイロキシンの働きによるものだ。
脳の中央に位置する視床下部は、動物の生存本能を司る部分である。食欲や生命欲などの、原始的な欲求をコントロールしているために、「生命の脳」ともいえる。
相対して人間の知能は「人間の脳」と呼ばれる大脳新皮質で生じる。大脳新皮質は、大脳の中でも外側に位置する。人間の進化に伴って発達した大脳において、大脳新皮質はもっとも新しい部位である。視床下部と大脳新皮質の役割は対極にあるとも言えるが、その実、互いに大きな影響を与え合っている。
視床下部は、いわゆる「欲望」をコントロールする部分だ。進化の過程に伴って、人間は食欲、睡眠欲のような本能的なものだけでなく、「学習欲」や「意欲」などの欲望を覚えるようになった。「学習欲」があればこそ、古代の人間は言葉を発明し、火を扱えるようになった。以降、人間は状況と場に応じて、知恵を絞って種の存続を図ってきた。
本能と知能とは密接な関係にある。「学びたい!」という意志が強ければ強いほど、学習効果も比例的に向上する。受験生なら志望校合格など明確な目標があるだろう。ビジネスマンなら、キャリアアップのためには、各種資格試験合格など明確な目標を持ったほうがいい。しっかりした目標がある人ほどやり遂げる力があるものだ。
いよいよ3章から、トレーニングの実践編に入る。スピード暗記術をマスターするんだという意欲を持って、取り組んでいただきたい。
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